「船員健康支援研究会」設立のご報告

当社、株式会社ヒゴケンが運営する西部調剤薬局では「船員健康支援研究会」に令和5年3月1日より参加したことをご報告申し上げます。

船員の高齢化が進む海運業界において、船員の健康問題は経営課題として大きな焦点となっております。
その中でも薬局が貢献できる課題として乗船中の船員の薬不足が挙げられます。

長期間の乗船(90日~)によって陸上での医療機関の受診機会を得ることが出来ず、また容体が安定しているにも関わらず薬が切れたために海上での就労を継続できないなど業界が抱える課題について1年間(2023年3月2日の「日刊水産経済新聞」に掲載)検討を行ってきた結果、「船員健康支援研究会」の発足に至りました。

以下、「船員健康支援研究会」の内容となります。

「船員健康支援研究会」
船は絶えず波浪を受けながら昼夜問わずタイトなスケジュールで運航を行うため船員の心身の負担は大きい。その一方で、時間的、地理的な制約を受けるために、病院や薬局に行きづらい状況にあり、また留守家族の介護などの心配があった。R5年4月より改正船員法が施行され、新しく船員向け産業医制度が実施された。これに伴い顕在化した船員の皆様が抱える問題に寄り添い就労の手助けを目的に本研究会は設立した。

・目的
船員が抱える問題を改善する仕組みの構築を目的とする。
・船員向け産業医の実施とその効果について分析
・産業医として未病から関わり船員の健康に寄与
・保険料を払っているにもかかわらず、乗船中は受診・投薬ができず治療の継続が妨げられる事を改善し安心して就労できる体制づくりを構築
・船員に家族介護が必要となった時の相談・施設の提案・診察・治療・投薬を行い就労継続することができるような仕組みを構築

・発足日
令和5年3月1日

・対象者
一般財団法人神戸マリナーズ厚生会と産業医契約を行った船主とその船員*1

・本研究会参加者
一般財団法人神戸マリナーズ厚生会
(合)船員労働科学研究所
株式会社ヒゴケン 西部調剤薬局

・研究会の活動内容
1.乗船中の船員の健康を守るための指導内容の検討
2.社会実証実験として船員向け産業医の課題の抽出、乗船中で受診困難な船員に対してオンライン受診・オンライン服薬指導を行い問題点の抽出を行いその問題点を解決するため厚労省への提案。
3.健康診断やストレスチェック・投薬後のフォローアップを行い、かかりつけ医・産業医・かかりつけ薬局が連携し船員が陸上と同様に医療を受けられる仕組みの構築。
4.家族の介護が心配で下船してしまう船員のサポートを行い、安心して乗船できる仕組みの構築。
*1 一般財団法人神戸マリナーズ厚生会は処方発行後、患者様が希望する薬局に連携することを基本とし、患者様が西部調剤薬局の利用を希望した方のみを研究会の対象者とします。同様に一般財団法人神戸マリナーズ厚生会以外の処方箋を西部調剤薬局が調剤した場合も研究会の対象外とする。

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