人手不足が最大課題でもある海運業界にとって、少ない船員人口を各社が取り合っている状況にあると言われております。
介護離職が厄介な理由はその少ない船員人口の中でも会社の中核をなす40～60代の人材である船員が引退してしまうことにあります。
何十年と長い期間をかけて育成し、今は若い世代の育成で陣頭指揮をとっているこの世代が業界から引退することは非常に大きな損失となります。
二カ月、三カ月といった長期にわたって乗船される船員様にとってご家族の状況を把握することは陸上勤務の方々に比べて難しく、適切なタイミングで対応することができなかったために船員を引退されるケースが発生しております。
介護離職は海運業界だけの問題ではなく、超高齢化が進む日本社会全体で解決していかなければならない課題であり、昨今では介護離職予防のための相談窓口を設置する企業が増えてきております。
「船員健康支援研究会」ではそういった事情を鑑みた上でさらに船員・海運といった業界の特殊事情を理解したスタッフによる相談窓口を開設し、働きたくても働けない船員のために、またこの船員不足の現状に対して少しでもお役に立てればと願っております。